腰痛を訴えて来院される方の多くは、肩こりや首のこり、五十肩などの症状も同時に抱えているケースが少なくありません。これは、これらの不調の根本的な原因が共通していることが多いためです。
さらに、肩こりを訴える方の半数以上が、頭痛の症状も併せ持っている傾向があります。
一般的に、肩こりや首のこり・痛みといった症状は、不良姿勢によるストレートネックや巻き肩が原因となり、筋肉の緊張を引き起こすと考えられています。そのため、多くの治療では肩や首、背中の筋肉の緊張をほぐす施術や、ストレッチ指導、筋力トレーニングが中心となります。
しかし、身体全体特に土台となる骨盤や下肢が整っていなければ、症状はすぐに戻ってしまい、正しい姿勢を維持することも困難です。
当院で腰痛の治療を受けられた方に施術後、肩や首の症状について伺うと、ほとんどの方が「肩や首の痛みもなくなった」とおっしゃいます。
五十肩においても同様に、下半身を整えることで肩甲骨の動きや角度が改善され、肩関節の可動域が広がります。
ただし、肩関節の痛みが筋肉や腱板、関節包、滑液包などの炎症によって強く出ている場合は、炎症が治まるまでに一定の時間が必要です。
当院では、炎症症状が強い場合には、鍼治療やテーピングを用いて炎症の鎮静を促し、症状の改善をサポートしています。
膝関節の症状の多くは、半月板の障害や変形性膝関節症によるものです。
膝の痛みや違和感を訴えて来院される60代以上の方の多くは、整形外科などで「加齢による変形性膝関節症」と診断され、関節内へのヒアルロン酸注射を受けた経験がある、あるいは現在も受けている方が多く見られます。
主な症状は、歩き始めや立ち上がり時の痛み、正座や階段の昇降時の痛みなどです。
比較的早期の段階であれば、関節内注射や運動療法などで改善する場合もありますが、多くの場合、時間の経過とともに症状が悪化していきます。
膝関節の原因を筋力低下やO脚による関節への負担とし、筋力トレーニングやサポーターの使用を勧める医療機関も多く見られますが、これだけでは根本的な改善には至りません。
膝の障害の多くは、下肢のねじれが原因です。
そのため、骨盤・大腿骨・脛骨・腓骨のアライメント調整に加え、足部へのアプローチも必要です。
これらを整えることで、屈伸時や歩行時の症状が改善される方が多くいらっしゃいます。
また、症状の改善に伴い、膝にたまる水(関節水腫)も徐々に軽減していきます。